2015-08-31

ヒューマンシティ:ニューヨーク

Leoです。

シリコンバレーボストンに引き続き、今回はニューヨークです。

タイムズスクエア


 "貧乏自慢"が何より嫌いな僕ですが、僕が中高生だった頃、たまに、家にお金がなくて自由(というか自分勝手ですが)が制限されると感じたことがありました。両親は僕のやりたいことを積極的にさせてくれてはいたものの、なんとなく、雰囲気を感じ取って遠慮せざるを得ない、そんな微妙な感覚です。

(今では、やりたい放題やらせていただいてしまっています。。父母、祖母、親族へ。多謝、言葉になりません。)

 それに疑問を感じ、自分の息子にはそんな思いさせねぇ、選択肢は無限大だ!なんてわけわからんモチベーションから、大金持ちになることを夢見て、いつかウォール街で身を削って働いてやる!なんて思ったことから、ニューヨークは僕の中で、唯一無二の憧れの都市でした。

お金のにおいがしたウォール街


 ボストンでの素敵な日々を終え、飛行機に乗ってニューヨークへ。ついに、長年の夢だった地に足を踏み入れるのだ…と、感慨深くなりつつ、一番大きなJFKではなく、Newark Airportに上陸しました。ん?ここがNYなの?と、実感のわかないまま、バンに乗って中心街へ向かいます。



マンハッタンの中心地、タイムズスクエアから徒歩5分のホテル前に到着しました。


最初の感想は、



「なにこれ…汚い…くさい…これが世界の中心地?(妄想が音を立てて崩れ落ちる



 渋谷みたいに人ごみがスゴいんだろうなぁと思っていましたが、人よりも、道路の舗装、道端のゴミ、ホームレス、屋台、建物の汚い壁、そこらじゅうのすべてに絶望しました。もっとスマートかと思っていた頭の中のユートピアは、「大きめのハノイ」に置き換わりました。

 それからすぐに、噂のタイムズスクエアに行ってみても、特に感動を得ず。へぇ、こんなもんかい。と絶望しきって、写真の一枚も撮りませんでした(一枚目の写真は、帰り際、二回目に行ったときです)。


 ニューヨークでは、IBMのワトソン研究所で丸一日の見学+質問会や、ニューヨーク大学出身の方との交流会を行いました。それは非常に価値のある時間で、特にアメリカでの就職の話をいままで聞いたことないくらい広く深く聞けて、貴重な経験をしました。

 が、ぽっかりとあいた穴を何で埋めたらいいものか、しばらくわかりませんでした。


ごはんは基本、ハンバーガー
奮発してステーキハウスにも行きました


 学術的な見学だけでなく、普通に観光をする余裕もあったので、有名な個所を巡ってみることにしました。まず、グラウンドゼロへ。そして近くのウォール街を見に行き、そのまま突っ切ってブルックリン橋。最後に、国連の大きな建物でパスポートにスタンプをもらったら、セントパトリック大聖堂を見て帰るような夢のコースを立てました。



グラウンドゼロ
名前に白いバラが差してあるものがいくつかありました



 グラウンドゼロ。

 言わずと知れた、アルカイダによる9.11事件の標的となった貿易センタービルの、もとあった地盤に作られた、追悼碑です。写真を見ると分かる通り、たいそうな大きさでした。呼び名に賛否両論があるようですが、今回はこの名前を使わせてもらいます。

 内側の大きな穴に向かって水が流れていく構造になっており、金属製の名前の彫られた慰霊碑は、触るとゾッとするほどひんやりしていました。中には、日本人らしき名前や、明らかにアメリカ人ではない名前も。周りを見渡しても、新たにビルがいくつか建ったとはいえ、こんな場所で、あんなことが起きたなんて、想像もできませんでした。


 想い冷めやらぬまま、ウォール街。世界一の金融地区では、かつて思い描いていた夢に思いを馳せました。


ストリートミュージシャン
お邪魔したJazz Club
文字通り、入り口がとても小さい


 マンハッタンに限った話をすれば、別の日にジャズバーにも行きました。念願のBlue Note Jazz Clubは叶いませんでしたが、あのNorah Jonesが昔歌っていたというSmalls Jazz Clubで、本場のJazzを体感しました。本場だけあって、値段(入場$20)に見合わずレベルが笑っちゃうほど高い。

 そして、それだけでなく、地下鉄のホームや地下鉄内でも、急にパフォーマンスが始まります。それも、日本のそれとは代えがたいくらいのクオリティ。気を抜いてると、全身に鳥肌が立ちました。エンターテインメントの街とは、よく言ったものです。


 ニューヨークという街に1ミリも踏み込まないと、ただの汚いうるさい街です。だけど、ほんの1ミリだけ踏み込むと、ほんのりとした温かさや、人の生きる鼓動、発展の行く末の、とんでもない深さが垣間見えてきました。


(郊外のブルックリンにも滞在しました。そこでの体験は、こちらから


 そんなこんなで、私の二度目のアメリカ渡航は幕を閉じます。ニューヨーク、確かに物価は恐ろしく高いです。経済発展のなれの果ては、正直、Artificial Cityのように感じました。たしかに、これでキレイに整備されていたら、それこそますます造られた都市になってしまうなぁと。

 思い描いていたユートピアではなかったし、古くて汚くて臭かったから住みたくはないけれど(悪口)、早く日本に帰って、今回ニューヨークを見たような目線で、いろんな街を歩き回ってみたくなりました。


 アメリカ編、おしまい。


 Leo

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